ITプロジェクトを運営し、完了させます。その運営を通して、ITプロジェクトを成功に導くための本質的なポイントを御社PMに身につけていただきます。
ITプロジェクトを運営するときの要のひとつが、プロジェクト・マネージメントです。
プロジェクト管理の手法といえば、PMBOKやPRINCE2などの有名なものがありますが、その究極の目的はプロジェクトを成功に導くことです。下図に示すようにプロジェクト管理で考慮すべきことは多岐にわたります。当然、どれも欠かすことができない要素です。
これらの管理要素に渡り、横断的に重きを置く点は、エンドユーザーのビジネス要件と開発チームのシステム実現のギャップを埋めることです。なぜならば、個々の管理要素は、エンドユーザーも開発チームもそれぞれの立場で管理しています。しかし、両者が見ているものが同じではないため、噛みあわないことが起きます。
特に、ビジネス上の優先順位と技術実現上の難易度はベクトルの方向が異なります。たとえば、要件としては簡単に見えることでも、技術的にはアーキテクチャを変更しなければならないこともあります。これを理解しないと、両サイドの溝が深まり、結果として力関係で物事が決まり、士気が下がる恐れがあります。
これらのバランスをとるために、ビジネス上の優先順位と技術上の優先順位や難易度を理解し、双方を考慮した実装アサイメントを行う必要があります。
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リスク管理はひとつの管理要素ですが、プロジェクトの成否を決めるファクタに成り得ます。
プロジェクトをスタートする前に、想定リスクを洗い出し、それが発生した場合の対策案を検討することも然りですが、プロジェクトを進行させていくと、必ず、想定外のリスクが発生します。リスクは、ビジネス側に及ぼすもの、開発チームに及ぼすもの、あるいは両方のものがありますが、いずれにせよ、その状況をオープンにし、影響を受けるステークホルダーとの調整が重要になります。
ITプロジェクトで頻繁に発生するリスクが、
といったところです。このリスクを抑えるためには、<要件定義→設計→実装→テスト>という開発プロセスをできるだけ短い時間で回していくことが肝要です。これを実現する開発手法として提案されているのが、反復開発というものです。最近では、だいぶ導入事例も増えてきているアジャイル開発も反復開発のひとつの手法です。
一方、伝統的な「ウォーターフォール型開発」が、現在も広く使われているという事実があります。これは、ひとつのプロジェクトをひとつの<要件定義→設計→実装→テスト>プロセスによって実現するものです。確かに、ウォーターフォール型開発でもプロジェクトを成功させている事例を見てきました。しかし、よくよく話を聞いてみると、プロセス内部では、まず、プロトタイピングを行い、要件のブレを抑え、その後も、こまめに構築した機能をエンドユーザーに見せることによって、リスクを抑える手法を取っていたりします。つまり、ウォーターフォール型開発で成功しているケースと言うのは、開発期間が十分短くて想定リスクが発生しないか、開発期間が長い場合、反復開発と同等なことを実践することによってリスク制御しているというのが現実だと考えています。
また、反復開発をするにしても、本格的な開発フェーズに入る前に、構築予定のアーキテクチャによって、プロトタイピングを行うことが、ビジネス要件の曖昧さを排除しアーキテクチャ上のリスクを図る上で、非常に効果的でもあります。
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